自分はフリーランスとしてWeb屋(Webデザイナー)をやりながら、アフィリエイトもするタイプの人間です。
アフィリエイトに関しては兼業といえば兼業ですが、その日の配分次第では専業にもシフトチェンジしています。どっちつかずのフワフワした人間です。
そんなことをしていると「Webデザイナーだからアフィリエイトで成果を出しやすいんでしょ?」という意見をたまに聞くことがあります。
ですが、結論から言うと「ほとんど関係ない」です。今回はその理由について言い訳も交えながら書いてみました。
Web屋とアフィリエイターの目的
確かに、どちらもWebサイトを作ってお金を稼ぐ職業です。むしろ、Webデザイナーであれば外注費をかけずに低コストで綺麗なアフィリエイトサイトを作ることもできます。
ですが、そもそもWebサイトを作る目的が両者で全く違います。
Web屋はクライアントに対する仕事
正直な話、対ユーザーに関してはどうでもいいんです。もちろん、最低限のユーザビリティーを考えたり、SEOはやりますが、最終的にクライアントが満足すればそれでいいんです。納品してお金が振り込まれれさえすればそれでOK。
作りたいサイトはクライアント次第。原稿もクライアントが用意する場合がほとんど。
Webデザイナーがやることといえば、クライアントの意見を聞き、サイトをデザインして、コーディングして、もらった原稿と画像素材を適当に流し込むだけです。文章のリライトや勝手にイラストを挿入したら怒られますよ。
なので、クライアントに言われた通り作るだけ。本当にそれだけ。
その後のアクセスやCVは、マーケティング支援やコンサルティングでやりますよって話なんですよね。むしろそうしたほうがお金になります。同じお客からできるだけ多く、そして長期的にお仕事をもらうには「焦らし(じらし)」が肝心なんですよ。Web屋って本当にいやらしいですよね。
- 成果物に対しての報酬が決まっている
- クライアントが満足すればそれでWin-Win
- 作ったサイトに愛着なんてない
- コーディング作業以降は思考停止ロボッット
アフィリエイターはユーザーに対する仕事
一方のアフィリエイターは、ダイレクトにユーザー目線の仕事です。なので、ユーザーアクセスを重視しますし、そのためのSEOもガンガン行う必要があります。
まずはどんなジャンルで攻めるかを決め、ライバルを調べ、ユーザーのターゲティングを行い、上位で狙う検索キーワードを決め、サイト構成を考える。そのあとは、原稿や画像を用意して、サイトデザインをし、コーディングもする。
WordPressを使う場合はPHPもいじります。サイトが完成したらすかさずアクセス解析を行い、PCDAサイクルを満足のいく成果が出るまで数年続けます。
Plan(計画)→ Do(実行) → Check(評価)→ Act(改善)
ざっと見ただけでわかるように、アフィリエイターってやることが多いんですよね。Web制作会社であれば5人ほどでやる工程を1人でやったりしてます。
- ジャンル選定やライバル調査 → クライアント、ディレクター、マーケッター
- サイト構成 → ディレクター、デザイナー
- サイトデザイン → デザイナー
- コーディング → デザイナー、コーダー
- WordPress・PHP → デザイナー、プログラマ
- アクセス解析 → ディレクター、マーケッター
Web屋の自分からすると「どんだけだよ」って思いました。
アフィリエイターはその辺の適当なWeb屋のスキルを軽々と凌駕しています。でもこれが普通です。むしろこれをしないとアフィリエイトで稼げません。無理だと思ったら時点で諦めてください。
どうしてこれだけの作業を淡々とこなすのか?それは、自分で作ったサイトの評価が収益としてダイレクトに自分に返ってくるからです。その辺りの意識が、作るだけのWeb屋とは全く違いますよね。
じゃあWeb屋の方が楽なのか?
そんなことはありません。Web屋には企業サイトレベルのクオリティが求められます。こう言っちゃアレですが、アフィリエイトサイトって9割9分9厘ダサいですよね。
「なにそのフォントw」とか「その画像はナイナイw」とかすごいあります。これはWebデザイナーだからじゃなく、素人目線でも同じようにダサいって感じられているはずです。
そんな一般的に見て「ダサい」が絶対に許されないのがWeb屋の仕事です。
さらに言えば、デザインだけできてもダメです。クライアントの要望を聞き取るヒアリングスキルやそれを形にする創造力も重要です。
それ以上に、全くのゼロから仕事を取ってくる営業力がなければ、Web屋として絶対に生きていけません。人脈やコネなんて一時の気休めです。
Web制作とアフィリエイトは根本的に違う
このように、Web屋だからアフィリエイトで稼げるというわけではありませんし、逆にWebに関して全くの未経験だからアフィリエイトで稼げないというわけでもありません。
アフィリエイトに必要なノウハウはネット上に転がっています。知りたい情報はググれば出てきますし、アフィリエイト情報商材といった物もあります。情報商材は高いですが、Web系の学校に行って勉強することに比べると悔しいほど安すぎます。
もちろんWeb屋として培ったスキルや知識は、アフィリエイトをやる上で多少のリーチにはなっています。デザイナーだから分かるダサいサイトにならない色使いや、ユーザーの行動心理学に基づいたレイアウトなどなど。
しかし、アフィリエイトというビジネスにおいて、そのリーチは本当にわずかなもの。デザインができなければ外注化すればいいだけのこと。むしろ、デザインが出来ても時間の都合で外注化するアフィリエイターも多いでしょう。
よく研究されたアフィリエイト用のサイトテンプレートも数多く存在してますし、SEOに強いWordPressテーマもあります。
アメブロのような無料ブログ感覚で、誰でも稼げるアフィリエイトサイトが簡単に作れる時代ということは間違いありません。
Web屋はアフィリエイトを学ぶべき
Webサイトを作れるだけでWebマスターになっているつもりのWeb屋は実際のところ多いです。
自分も、フリーランスとして独立して、取材から撮影、デザイン、コーディング、ドメイン取得、サーバー契約、メール設定など、クライアントのWebサイト周りを自分一人でこなせた時に「あれ?俺、Webマスターじゃん?」と思った時期もありました。
しかし、それは勘違いでした。
本当の意味でのWebマスターは、Webサイトが作れるだけでなく、作ったサイトから収益を上げられる人のことをいうのだと思います。「作って終わり」のWeb屋程度では決してWebマスターにはなれません。
その点、自ら制作したWebサイトを収益化してしまうアフィリエイターは、Webマスターと呼べるに価すると思います。
サイトのクオリティは置いといて、Webサイトとしての目的を達成するまでアクセス解析を行いSEOを改善したり、時にはリスティング広告にも着手する。
これは、作るだけのWeb屋の仕事では絶対に学べないことです。むしろ、このことに気づけただけでも、アフィリエイトに出会えてよかったと感じます。
それと同時に、アフィリエイターがやっていることすらできないWeb屋が、実際問題かなり多いということにも恐怖を感じました。これは法人として多くのクライアントから仕事を受けるWeb制作会社にも言えることです。
「え?おたくら集客方法やCVにつなげる手法も知らないでWeb制作しているの?」
いつかそんな言葉がクライアントから聞こえてきそうですね。そうならないためにも、Webに関わる仕事をしている人はアフィリエイトを学ぶべきです。
別にアフィリエイトで月100万円稼げ!ということではありません。自分もアフィリエイトに関しては月10万円程度の収益です。それでもWebサイトを使ったビジネスについて多くを学びました。
そして、アフィリエイトで学んだことが本業のWeb制作にも大いに役立っています。クライアントに対しても説得力のある提案ができるようになりました。
Web屋の方で一歩先へ進んだWebサイト制作ができるようになりたいという方は、この機会にアフィリエイトを学んではいかがでしょうか?
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