東日本大震災が起きた2011年3月11日。東京都は震源から500kmも離れていたにも関わらず、これまで経験したことのない災害を経験した。
そして、多くの科学者が予測する首都直下型地震。東日本大震災の何十倍もの規模の地震が、今後30年以内に70%の確率で起きると推測されています。
首都直下型地震は人生で一番の危機になる
首都直下型地震に関しては、大学教授や学者による様々なシミュレーションが行われています。統計上ではありますが、再現度は高く、最悪の危機として覚悟しておく必要がありそうです。
そこで提示された指数が「首都直下型地震は30年以内に70%の確率で発生する」ということ。
首都直下地震とは M7級、30年以内に70%の確率想定
もし30年後なら自分は60代半ば。おそらく子供もいることだろうし、孫もいるかもしれない。
人生で一番幸せな時期に、人生で一番の危機を迎えることになるかもしれない。
あとは、30年以内なのでもしかすると明日にも首都直下型地震が起きるかもしれない。
そうなれば、何の準備も覚悟もしていないこの状況が非常に怖い。とにかく、数百年に一度の大災害を、自分が生きているうちに必ず経験することとなるのは間違いない。
では、首都直下型地震が起きたらどうなるのか?まずはその辺りから考えていきたい。
都内全域で帰宅困難者の続出
都心の主要な交通手段は電車。しかし、複雑に張り巡らされたJRや地下鉄は、わずかな揺れでも運転を見合わせるほどシビア。
東日本大震災後の余震でも、数時間の運転見合わせも珍しくなかった。
そうなると考えられるのが帰宅困難者。都内に住む人以外にも、神奈川、埼玉、千葉の人は仕事のため東京に通う。
もし首都直下型地震が平日の日中に起きたら、東日本大震災を超える数の帰宅困難者が予測される。バスやタクシーといった公共交通機関は人で溢れるでしょう。
内閣府が2011年11月22日に発表したインターネット調査に基づく推計では、東京都で約352万人、神奈川県で約67万人、千葉県で約52万人、埼玉県で約33万人、茨城県で南部を中心に約10万人、首都圏で合計515万人が当日自宅に帰れない帰宅困難者となった。地震発生時の外出者の約28%が当日中に帰宅できなかった。
東日本大地震の時、私は新宿から自宅までの甲州街道を歩きました。その時の光景は今でも鮮明残っています。
歩道は人で埋め尽くされ、道路も渋滞。まるで大きなお祭りが開催されているようでした。
コンビニや避難所のパンク状態
もし、暑い夏や寒い冬に首都直下型地震が起きたら?と考えれば、どれだけのパニックになるかが予測できる。
飲み物や食べ物を求めて、スーパーやコンビニは人で溢れかえる。
また、自治体が用意した避難所では、職員のキャパシティが超えてパニック状態に。
政府は企業に「地震発生時はできるだけ会社に留まるように」と呼びかけているそうですが、家族の身元安否の確認が取れない中、会社に留まる人は少ないでしょう。
高層ビルの崩壊・崩落
都内には数十メートル、百メートルを超える高層ビルや高層マンションが無数に存在します。
東日本大震災では、高層ビルやマンションが「共振」といってゆっくりと揺れていいましたが、首都直下型地震の揺れは比にならないらしい。
東日本大震災の時は一定間隔の揺れがゆっくりと続いていたが、首都直下型地震では短い周期で複雑な揺れが激しく続くそうです。
東日本大震災の時のような揺れであれば、ほとんどの高層ビルや高層マンションは耐えられるが、揺れの周期や強さが複雑な首都直下型地震では、倒壊する建物が続出するということ。
また、一般的なオフィルビルの天井は、約10kgの鉄の板が数cmの溝で固定されているだけ。つまり、揺れによって無数の鉄の板が落ちてくるのです。
約10kgの鉄の板が天井から落ちてきた際、人間の首にかかる衝撃は200kg超。簡単に頭蓋骨骨折するレベルだそうです。
それ以外にも、エレベーターが停止し高層ビルやマンションに取り残される高層難民の続出も起きます。大金をはたいて購入した家を恨むこととなるでしょう。
消火できない火事が広がる
東京は日本の心臓です。首都直下型地震では、その心臓が99%崩壊します。
まずはライフライン。停電はもちろん、断水、ガス停止は絶対に起きます。制御システムが被災すれば、それが最長数ヶ月続くことも。
それだけでなく、携帯やネットといった通信はパンク、テレビ局も放送休止。まさに首都機能の停止です。
まだあります。建物が密集する都心では、漏電・ガス漏れ等が原因の火災が至る所で起きます。
消防車が消火活動をするも、道路は渋滞、下町の入りくだ道は消防車が通れません。火は消えることなく燃え広がります。
津波が全てをさらっていく
火災よりも恐ろしいのが、時間差でやってくる津波。
東京都の江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区には海抜0mエリアが広がります。
津波が全てを飲み込み辺り一帯は水没。想像してください。東日本大震災の爪痕となったあの荒野。あれが東京都にもできてしまうのです。
最近では、江戸川区の水害ハザードマップが話題になりました。
「ここが危ない」「ここなら安全」など生ぬるいことは書いてなく「逃げて」とだけ記載されています。
世紀末のような光景が広がる
また、東京証券取引所、商品取引所、東京工業品取引所、為替・手形決済システム、銀行間取引システムの取引停止、株価暴落、通貨下落、倒産などの金融市場への影響も考えられ、都心だけでなく日本という国全体が危機的状況になります。
職を失い、貧困層が増え、それに伴い犯罪も増える。
それはもう、先進国とは思えない光景が広がるかもしれません。それままさに世紀末という言葉にふさわしい光景なのかもしれません。
命を守るため首都直下型地震までにやるべき5つのこと
そんな恐ろしい災害が30年以内に起きると言われています。そこで、自分なりに今から首都直下型地震を想定した将来を考えなければいけないと思いました。
1.首都圏沿岸部を離れる
まずは、第一に震源地からできるだけ離れるということ。
首都圏沿岸部は津波の危険性が高いだけでなく、人口過多によるパニック現象に巻き揉まれるリスクもあります。
海から離れている場所、人が少ない場所への移動が最優先。仕事で都心を離れられない人は、別荘の購入も検討しましょう。
2.防災グッズを揃える
災害から運良く逃げられても、その後を生き抜くには物資や食料が必要。備えあれば憂いなし。今のうちに数日間は生き延びれる防災グッズを用意しておきましょう。
3.自給自足のライフラインを確保
都心を離れても、余震などで地方の電気や水道などが止まることも想定しなければいけないと考えます。
水は井戸水、沢水、湧き水などを確保。普段からペットボトルに貯めておく習慣をつけるといいかもしれません。濾過器があれば最悪雨水でも飲めます。
電気は太陽光で蓄えられるように蓄電池があれば最高。スマホや照明器具が充電できるようにモバイルバッテリーも必需品です。ポータブル電源があれば冷蔵庫も使えます。
プロパンガスならコンロが使えるため、停電中でも湯沸かしや調理なども可。カセットガスコンロもあれば便利。
4.食料や日常消耗品の自給自足
スーパーやコンビニの品薄状態も想定して、早い段階から農作物の自給自足のノウハウを取得する。紙などの日常消耗品も、何かしら自然のもので代用できないか試行錯誤する必要があると考えます。
極端に言えばサバイバル術の習得ですね。
5.家族のことを考えなおす
一緒に暮らす家族、また離れて暮らす両親や親戚と、首都直下型地震が起きた際のことをじっくり話し合う必要があります。
連絡手段がなくなったらどこに集まるか?山奥の自宅で親戚一同の命を繋ぐことができるか?それぞれの役割はなにか?などなど。
その点、サバイバルファミリーという映画はリアリティがあって共感しやすかった。邦画に興味がない自分も共感。災害大国日本に住むからには一度は見ておきたい映画の一本です。
地震が起きてからでは手遅れ
しつこいようですが、30年以内70%の確率で東日本大震災を超える首都直下型地震が起きます。その時に生きているか、死んでしまうかは、今の行動次第だと思います。
今、数年先のことを考えている余裕はない!では済まされない事態に、私たち日本人は直面しているのかもしれません。
自分の命を守るため、そして大切な人の命を守るために、今取るべき行動もあるのではないでしょうか。
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