早期英語教育とは、乳幼児期〜中学校入学前にプリスクールやインターナショナルスクール、子ども英語教室などに子供を通わせて英語を学ぶことです。
平成25年に、中学校から始められている英語の授業を、今後は小学校から始めるという教育方針を文部科学省が発表して以来、保護者の早期英語教育に対する意識が強くなっています。
しかし、早期英語教育にはメリットとデメリットが存在することをご存知でしょうか?
今回は、子ども達に英語教育を行っている職員の立場から考えた、早期英語教育にはメリットとデメリットをご紹介します。
早期英語教育のメリット
週に1回、英語レッスンを取り入れている保育園や幼稚園では、子ども達は楽しみながら英語の歌を歌ったり、踊ったりしながら、英語に抵抗なく自然に覚えています。
これは「英語=勉強」という考えが一切なく、英語を習得することにストレスを感じていないから。むしろ楽しさの中、学ぶため上達が早いということです。
また、乳幼児期に大量の英語という音を聞かせる点でも、早期英語教育はかなり効果があります。
特に「RとL」や「CとK」といった聞き分けが難しい発音は、臨界期(10~11歳頃まで)の環境によって大きく差がつくと言われています。
臨界期で、ある程度の聞き取り能力が発達すると、その後、しばらく英語から遠ざかることがあっても大丈夫。
しっかりと英語のリスニング能力は身に付いているため、さらなる英語のスキルアップにも効果的です。
早期英語教育のデメリット
完全英語の教育施設でない限り、先生や子ども達は日本語でも会話しています。
会話の中で母国語(日本語)と英語が混合してしまい、言葉の習得が遅れやすという子も少なからずいます。
例えば、自宅では日本語で会話するA君と、自宅でも英語で会話するB君では、日常会話で主に使う言語が異なります。
- A君「ブロック貸して」
- B君「NO!! LATER!!(ヤダ!あとで!)」
- A君「使わなくなったら貸してね」
- B君「NO!!(ヤダ!)」
極端な例ですが、A君の言葉をB君が理解していないケースです。
A君は「NO」という単語で「ダメ」ということを理解しますが、普段、英語で話しているB君は「貸して」は理解できても「使わなくなったら」が理解できず、「NO」という返事を繰り返す。これがケンカの原因になることも。
また、先生の指示行動として「カバンを持ってきて」という言葉に対して、B君は「カバン=バッグ」ということが分からない。
それによって、反抗的な態度に見えてしまう、といったケースも考えられます。
早期英語教育は子どもの英語習得に効果的ですが、その反面、日本語でにコミュニケーション能力へ悪影響となってしまうデメリットも考えられます。
早期英語教育のトラブル改善方法とは?
子どもの英語教育であれば早期英語教育はかなりの効果が期待できます。
しかし、上記でご紹介したデメリットもありますので、母国語である日本語の習得を怠ってはいけません。
絵本の読み聞かせや自宅での会話などで、周囲の大人が日本語のお手本を見せることが重要。
日本語の基礎を習得した上で、英語の学習を進めていくことをおすすめします。
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