ヒトリストがバスツアーでスノーボードに行くという事

ヒトリストがバスツアーでスノーボードに行くという事

気の合う仲間と楽しく滑る。道中すら楽しい。これがスノーボードの醍醐味。しかし、世の中には「ヒトリスト」と呼ばれる人種もいます。

ヒトリストとはそんなスノーボードに1人で行くヤツの通称。何を隠そう、この私もヒトリストなのです。

今回はそんなヒトリストの生態を、スノボバスツアーでの1日の流れに沿ってご紹介します。どうか引かないでください。

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ヒトリストの朝は早い

土曜日の早朝5時。念を入れて5分刻みにセットした目覚ましを解除する。わるいな。スヌーズの出番はなさそうだ。

まずは前日に準備したスノーボードケースの中身の再確認から始まる。忘れ物は笑いごとにはならない。特に今日は共に笑える相方がいないからな

そして準備に問題がなければ時間が許す限りトイレにこもる。一番の敵は冷え込んだ早朝の新宿西口バスロータリーで待機中に来るあの憎き腹痛だ。最悪の事態を避けるために何としてでもクソを出し切る

ヒトリストの朝は早い

準備が整ったらスノーボードケースを担いで部屋を後にする。天井に何度もケースが引っかかって体重を持って行かれそうになるが、寒さと緊張で硬直した体は全く動じない。

新宿のバスロータリーに向かうヒトリスト

新宿のバスロータリーに向かうヒトリスト

まだ早朝6時だ。オール明けのギャル、ウォーキングをする老人、階段で寝ているサラリーマン。駅のホームでは毎回視線を感じる。どうせ「あの中に人が入っている」とか「新手のスナイパーか?」思っているのだろう。ジロジロ見るな、クソ野郎め

新宿のバスロータリーに向かうヒトリスト

新宿に着いて西口のバスロータリーに向かう。ここから本格的なヒトリストの戦いは始まる。ダンボールハウスで寝ているホームレス横目にタラタラ喋りながら歩く若者グループを華麗に抜き去る。

長い通路の途中にあるコンビニは楽しそうな学生でいっぱいだ。菓子パン、おにぎり、お菓子、お茶。俺みたいに前日に買っておけ。そして早く集合場所に行って受付しろ。そう心で思いながら足早に集合場所へ向かう。

新宿のバスロータリーでのヒトリスト

新宿のバスロータリーでのヒトリスト

オリオンツアーをはじめこの手の受け付けは残酷だ。「代表者の方だけ並んで下さい~」集合場所についてノンストップで列に並ぶ奴は間違いなくヒトリストだ。「○○様1名様ですね」頼むから黙ってくれ。

遅刻は絶対に許されない。人として社会人としてではなく車内で注目を浴びてしまうからだ。気配を消すことを求められるヒトリストにとってはこれほどの羞恥はない。一番乗りでヒトリストお決まりの先頭座席に座るといいだろう。隣に座る人も高確率でヒトリストなので軽い会釈はするといい。

集合時間より早すぎてもだめだ。孤独と寒さが精神的にも体力的にも辛い。そしてこうゆう時限って乗車するバスがなかなか到着しない。休日の早朝なので全く更新されないのだがFacebookを見るフリをしよう。あなたにエア電話のスキルがあるのならばここではかなり有効だ。

ヒトリストのエア電話

集合場所でのトイレには気を付けろ。あの人口密度だ。個室の競争率はかなり高い。そもそもスノーボードケースを背負ってのクソは不可能に近い。だからと言って集合場所に荷物を置きっぱなしだと盗まれる恐れがある。しれっとグループの荷物の横に置いてみるのも手だ。トイレから戻った時に自分の荷物がポツンとあるのを見ると切なくなるから注意しろ。

バスの乗車するヒトリスト

バスに乗車したらすぐにイヤホンを耳にぶっ刺してフードを深々と被る。とにかく自分の世界に入る。最も重要な事は続々乗車してくるグループと目が合わないようにする。後部座席の若者が楽しそうに騒いでいる。一人ずつそのアゴに渾身のアッパーをぶち込みたい気分になるがそこをこらえて音楽のボリュームを上げる。

バスの乗車するヒトリスト

バスが出発したら前日に買っておいた菓子パンを食べる。これが本日初めての食事だ。きっとお隣さんもヒトリストだろうが決して会話はしない。あくまでクールな一匹狼を演じる。ここで仲良くなるとかえって面倒くさくなる。なにより今は早朝の寒さと孤独ですり減った体力を回復することが重要だ。

サービスエリアでのヒトリスト

サービスエリアでのトイレ休憩は決まって2回ある。グループなら露店のアツアツたこ焼きでも買ってワイワイやるのだろうが、ヒトリストはここでもクソをする。最悪の事態を想定して行動しないと本当に最悪になる。この場合の最悪はバスが走行中の腹痛だ。

ゲレンデに着いたヒトリスト

ゲレンデに着いたら真っ先にバスを降りる。そして更衣室が混む前に着替えを済ます。その後リフト券の引き換えをする。誰かを待つことがなければ流れるように準備が早く出来るのがヒトリストの利点。

ゲレンデに着いたヒトリスト

すぐにはリフトに向かわずここで先日買ったおにぎりを食べるヒトリストに楽しいゲレンデランチはない。腹持ちのいいおにぎりで帰宅時間の17時まで渋る。水分補給まめに行うのでポケットに小銭だけ入れておこう。

リフトに乗るヒトリスト

リフトに乗るヒトリスト

準備が出来たらいざリフトへ。最近のリフトはおひとり様レーンというものがある。ヒトリストのことを思われて作られたのだろう。でもこれが更にヒトリストを追い込んでいる。並んでいる時点でヒトリストが強調される。そして3人乗りリフトにカップルと同席させられるってゆう。もうこれはヒトリストで一番避けたい事No.1に決定です。

案の定カップルにも気を遣わせてしまいながら頂上へ到着。クールにリフトから降りる俺。ここでは絶対に転べない。ここで転ぶとその瞬間に全ゲレンデからマークされると思った方がいい。「あの人ヒトリストのくせに下手過ぎワロス

ヒトリストのライディング

ヒトリストのライディング

滑っている時が一番孤独から解放される。誰もが滑走中はヒトリストだ。下手な人を待たずに済み自分のペースで自分に合ったライディングを楽しむ。座り込むスノーガールを華麗にかわして「こいつも惚れたな」とこの時ばかりはナルシストになる。

ヒトリストのライディングに惚れた

この時無理なトリックは禁物だ。グラトリは180からのスイッチとプレスだけ。パークはBOX限定で普通に乗るだけ。キッカーなんて相当の自信がない限り挑むべきではない。ミスって尾てい骨骨折は洒落にならない。レスキューなんて呼ばれたらそのまま死んだ方がマシだ

そんな中途半端な俺はひたすら高速滑走。ツインチップのファナティックだが高速カービングだけは自身がある。このゲレンデで最速になるもう誰にも止められない。10分かけて頂上に上り2分で滑降する。これを必ず10本はこなす。もう自分でも何が楽しいのかわからなくなる。ある種の使命に駆られているアスリートに変貌するのだ

ヒトリストのライディングに惚れた

ボロボロなヒトリスト

少し休もう。一服しようと思いタバコを取り出したら中の葉っぱがボロボロと出てきているのはよくあることだ。地味に葉っぱを詰め直すことにしよう。ホットコーヒーとタバコとゲレンデの相性は最高だ。一人だが俺にとってこれが冬を感じさせる瞬間だ

十分休んだらもうひと滑り行くか。家族連れやグループがランチしてるせいかゲレンデはガラガラ。これはチャンスだ。午前中に挑戦できなかったトリックにガンガン挑むことにしよう。しかし20代後半の足腰はもう悲鳴を上げている。180すら回りきらずエッジがかかり転ぶ程だ。

ボロボロなヒトリスト

そんな体に鞭を打って挑んだパークのBOX。入りをミスって大胆に転倒する。ミシっと完全にあばらが行った音がする。大丈夫。あばらなんて簡単に折れるから気にすんな昨シーズンは計3回折った

そんなこともあり身も心もボロボロのまま早めに上がることにする。帰りの更衣室もまた混むことは知っている。帰りのバスが到着する前に準備を終えて本日2本目のホットコーヒーを飲む。ついでに前日購入した菓子パンでも食べるか。

去る時も完璧なヒトリスト

帰りのバスも一番乗りだ。行と同じように音楽を聴いて外部を遮断する。時間を守らずにヘラヘラしている若者はマジクソタヒれ。途中によるサービスエリア。普通ならお土産を選んで今日のいい思い出にするのだろうが、ここでもヒトリストはクソをする海老名SAでクソをする。最悪な事態に備える意思は鉄のように固い(硬い)。

海老名SAでのヒトリスト

バスが新宿のコクーンタワー前に到着する。ついに来た解放の時。自分の荷物を回収したら足早に京王線も改札へ急ぐ。よくぞ一日頑張った。安息の地はもうすぐだ

結局寂しいヒトリスト

家についていつも思う。「正直なところ、今回も楽しくなかったな」と。何故ヒトリストを続けるのか?お金も時間も体力も消費するスノーボードに一人で行って「楽しくなかった」と思うのに何故また繰り返すのか?その答えは自分にも分らない。

結局寂しいヒトリスト

バスツアーに参加するヒトリストに求められることは常に余裕を持ち冷静でいること。焦って周りばかり気にしていてはかなり不自然だ。ただでさえ1人でスノーボードというキモさスレスレな行動。スノーボードが下手でもいい。いかにプロのヒトリストを演じるかが重要になってくる。

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この記事を書いた人
SnowBoardGeek

自称「SnowBoardGeek(スノーボード・ギーク)」の元プロライダーで現在は都内の某有名スノボショップの店員をしています。プロ引退後もヒトリストとしてゲレンデに出没してます。

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記事のコメント

  1. 名無しのボーダー より:

    記事シーズンごとに毎回読みにきます笑

    来週ヒトリストバスツアーに参加します笑
    毎年のことですが笑

    友達はいるけどそんなにガチじゃないので、基本一人に。

    車は持っているけど、嫁が使うので結局電車かバス。

    やはり、コスパ考えるとツアーバスなんですよね…

    ただただ、辛いものは周りの視線ですね笑まあ、それでも自分の世界にこもるのでなんともですが笑

    いつも楽しい記事ありがとうございます

    • 管理人 管理人 より:

      ありがとうございます!笑
      車一台しかないとバスしか選択肢なくなりますよね〜
      自分は早起きするとお腹壊すタイプなんで、もうひたすら腹痛との戦いでした笑

  2. 匿名 より:

    定期的に見に来てしまう記事です。
    1シーズンに20回ほどヒトリストをしていた時は、新宿のロータリーでこの記事を見てました。笑
    おもしろい記事をありがとうございます。

    • 管理人 MASA より:

      もったいないお言葉ありがとうございます!今思い返しても、何してたんだろう自分って…笑
      ヒトリストは孤独社会に耐えるメンタルトレーニングです!これからも頑張ってください!

  3. ウシくん より:

    私は電車ヒトリストならやったことがありますが、バスでの過酷さがよく分かりました。
    ありがとうございました。

    >>「正直なところ、今回も楽しくなかったな」と。何故ヒトリストを続けるのか?お金も時間も体力も消費するスノーボードに一人で行って「楽しくなかった」と思うのに何故また繰り返すのか?その答えは自分にも分らない。

    声出して笑いました!

    • 管理人 MASA より:

      バスは本当にキツイっす!マイカーを手に入れた今では懐かしさを感じながら、二度とバツスアーはやりたくないですね笑

  4. 匿名 より:

    一人でスノボってキモいんですか?
    去年初めて、オガサカのボードまで買いましたけど辞めますわ

  5. hiroros より:

    クソが心配だからツアーは新幹線で行きますw
    車で降雪後のパウダーを狙う場合は直前まで天気予報とにらめっこになるので、誰かと予定とかしてる余裕がない状態です。

    • MA-HI より:

      hirorosさん
      ですよねwでも安さが魅力的でついついバスになっちゃいます。
      確かに。自分ほどスノボに対していろいろガチな人は周りにいないので、結局ヒトリストになっちゃうんです。
      だからと言って上手いわけではないので困ったもんですw

  6. 匿名 より:

    ヒトリストは飛行機で北海道ツアーがいいよ。4月頃だと余裕で一人でリフトに乗れるよ。食堂も一人の人がたまにいる。ホテルの朝食バイキングが地獄でした。ツアーに勝手についてるんだもん。
    土日祝に休めない仕事してると、集まらなくてつらいよねー。

    • MA-HI より:

      匿名さん
      コメントありがとうございます!
      北海道行ってみたいんですよ~でも準備とかいろいろありそうでなかなか時間が作れなくて。
      食堂が一人でも使えるって結構でかいですよね!
      朝食は地獄ですかw確かにキツそうw自分は耐えられそうにないですねw
      ですね~自分は土日は結構休みなんで行けるんですが、周りにスノボ仲間がいなくて^^;
      でも最近車買ったんで来年はガンガン行きます!

  7. 匿名 より:

    スノーボードとか、くそみたいな事してんじゃねーよ┐( ̄ヘ ̄)┌

    • MA-HI より:

      匿名さん
      コメントありがとうございます!
      スノーボード面白いよ~!ただ、一人だとやっぱりつまらないけどね(+_+)
      でも、何人かで並走している時は、まるでレースゲームをやっているようでクセになるんだわ!
      もし今年、もしくは来年からスノーボードを始めようか考えているなら、なんでも相談してみな!ギア選びならある程度アドバイスするよ!