介護における透明文字盤を使ったコミュニケーション – 透明文字盤の作り方と使い方

介護における透明文字盤を使ったコミュニケーション – 透明文字盤の作り方と使い方

私の働く職場には、寝たきりのお年寄りや上手く言葉を発する事が出来ないお年寄りがいます。実の父もすっかり言葉を話さなくなってしまい、意志の疎通が難しくなってきています。

何が言いたいのか。どんな気持ちなのか。どうにかして思いを知ることが出来ないかと日々悩んでいました。

そんな時に知ったのが透明文字盤を使ったコミュニケーションです。有名なところだと徳州会の「徳田虎雄」が秘書と行っているコミュニケーション方法です。私は、テレビでその様子を見てすぐに実行へと移しました。

【用語補足】
介護者=介護をする人
要介護者=介護をされる人
ALS=筋萎縮性側索硬化症

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透明文字盤とは?

透明文字盤とは、気管切開手術ALS(筋萎縮性側索硬)など様々な理由による発声でのコミュニケーション障害を克服する為に作られたもので、ひらがなや数字が書かれている透明なアクリル板です。

「あ」~「ん」までの50音、「0」~「9」までの数字、多用する単語などコミュニケーションを取るのに必要な文字列が書かれています。

介護における透明文字盤を使ったコミュニケーション - 透明文字盤の作り方と使い方

透明文字盤の使い方

話し手(要介護者)聞き手(介護者)は正面に向き合って、目線が一直線になった文字や単語が言いたい言葉となります。

はじめは、とても難しくて慣れるまで相当な時間が必要です。私も未だ透明文字盤を使ったコミュケーションは全然出来ていません。

腕や指が動く方であれば、話し手に文字を指さしてもらいコミュニケーションを取るというやり方にも使えます。

文字盤越しに文字が読みやすいように、聞き手側は白などの明るい服装の方がいいでしょう。

透明文字盤の作り方

はじめはAmazonで探しましたが、意外と売ってないんですね。個人販売もありましたが、結構高く感じたので自分で作ることにしました。見るから簡単に作れそうですもんね。

用意するもの

  • 透明アクリル板(おすすめはA3)
  • 油性マジック
  • 長めのものさし

「透明アクリル板」はホームセンターで購入できます。もし、近所にホームセンターがない方はネットでも購入可能。他にも「油性マジック」や「ものさし」が必要になります。

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透明文字盤の作り方

まず下書きをします。大抵アクリル板には薄紙が貼ってあるので、そのまま薄紙に書いていきましょう。私は「50音」と「0~9までの数字」と「YES」「NO」としましたが、普段よく使う単語などでもいいと思います。むしろ初めは単語の方が分りやすいかもしれません。

次に薄紙をはがして、アクリル板の下にひきます。透明なのではっきり見えます。そしたら、下書きを手本にものさしを使ってアクリル板に油性マジックで罫線を引いていきます。

油性マジックでもアクリル板は若干弾くのでしっかり乾かすなどして、焦らずに引いていきましょう。罫線が引き終わったら、文字や単語を書いていきます。この時もちゃんと乾かしてから次の文字を書くなどして慎重に行います。

これで完成です。どうですか?簡単ですよね。マジックとものさしがある方なら100円以内で透明文字盤を作ることが出来ます。

介護における透明文字盤を使ったコミュニケーション - 透明文字盤の作り方と使い方

まとめ

要介護者の視線を読み取って文字を入力することが出来る機器はあるのですが、とても高価で障害と診断されなければ補助金はおりません。

特に、お年寄りや要介護者の方だと高齢による衰えと診断されるだけで、そういった高額な補助金を得ることは難しいでしょう。当然ですが、オムツやベッドなどの最低限の介護用品が限度です。

透明文字盤なら、安い費用で簡単に作ることが出来るのでとてもおすすめですよ。持ち運びも容易で、必要になった時すぐに使うことが出来ます。

そしてなにより、機械を使う方法より、本来の会話に近いコミュニケーション方法だと思います。相手に思いを伝えたいという気持ちと、相手が何を言いたいのかを考える気持ち。それがちょっと複雑になっただけの事です。

まだ元気なお年寄りの方でも、今後を見据えて言葉での会話が出来るうちに透明文字盤を使ったコミュニケーションの練習をしておくことを強くおすすめします。

いざという時に、透明文字盤の使い方を覚えることはとても大変ですからね。

介護
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この記事を書いた人
Misaki

現役の介護職員でありWebライターとしても活動。保有資格は介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、実務者研修、ホームヘルパー2級(現、介護職員初任者研修)、介護事務。また両親の在宅介護も経験しており、職員側と利用者側の双方の立場から専門的な見解を行っています。

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